研修資料でも配布チラシでも、つまずく場所はだいたい同じです。職種を問わず使える基本の進め方をまとめました。
資料づくりで一番時間を溶かすのは、作りながら目的を考えてしまうことです。手を動かす前に、次の1行を埋めてください。
「(誰)に(何)を伝えて、(どう行動して)ほしい」
この1行が決まると、載せる情報と載せない情報が自動的に決まります。逆にここが曖昧なままだと、あとから何を足しても資料が締まりません。
凝った構成は必要ありません。ほとんどの実務資料は次の3ブロックで足ります。
| ブロック | 役割 | 枚数の目安 |
|---|---|---|
| 導入 | 相手が困っていること、この資料で解決すること | 1〜2枚 |
| 本編 | 手順・根拠・数字。1項目1枚で並べる | 3〜7枚 |
| 行動 | 次に何をすればよいか。日付・連絡先・申込方法 | 1枚 |
本編が7枚を超えたら、それは1つの資料に複数のテーマが混ざっているサインです。STEP 1 の1行に戻って、外せる項目を探してください。
白紙から考えるのが一番重いので、テーマを1文入力して章立てと本文の下書きを自動生成させ、そこから削る進め方が速いです。生成された文章・順番・配色はすべて後から編集できるので、まず形にしてから直すほうが手戻りが少なくなります。
読まれない資料の原因は、内容が難しいことではなく1枚に情報が多すぎることです。上限を先に決めてしまうのが確実です。
| 用途 | 1枚の文字量の目安 | フォントサイズ |
|---|---|---|
| 投影して説明するスライド | 60〜100字 | 24pt 以上 |
| 手元で読む配布資料 | 200〜400字 | 11〜14pt |
| 掲示ポスター(立ち止まって読む) | 見出し15字+本文80字 | 見出し 40pt 以上 |
投影用と配布用は文字量が3〜4倍違います。同じ資料を両方に使うと、どちらかが必ず読みにくくなります。投影用を作ってから、配布用に補足を足した別バージョンを用意するのが早いです。
実務でありがちなのが、同じ内容を「A4チラシ」「掲示用ポスター」「SNS 用の正方形」で3回作り直すことです。ここが一番の無駄です。
削る順番は「補足説明 → 装飾 → 画像の一部 → 本文」です。見出しと行動(日付・連絡先)は最後まで残します。この順番を決めておくと、判型ごとの判断で悩まなくなります。
作った資料が開けない、レイアウトが崩れる、という事故は書き出し形式の選択ミスで起きます。
| 渡し方 | 形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 相手が中身を編集する | PPTX | PowerPoint で開いて差し替えができる |
| そのまま読んでもらう・印刷する | 環境によるレイアウト崩れが起きない | |
| チャットや SNS に貼る | PNG / JPG | クリックせずに内容が見える |
院内掲示や教室の配布物のように印刷する場合は、PDF で書き出してから一度実寸で試し刷りしてください。画面では読めても、貼った位置から見ると文字が小さすぎることがよくあります。